ミウルの「森のパズル」 一般社団法人「さがみ湖 森・モノづくり研究所」 (MORIMO)

ミウルの「森のパズル」。小さな立方体をさまざまな形につなぎあわせたパーツで構成(右)
「森のため、森と人をつなぐため」間伐材の有効活用
神奈川県中央部から北西部にある5つのダム湖「やまなみ五湖」地域の生産者が、地域の自然の恵みを生かして作り上げた特産品「やまなみグッズ」。今回は相模原市緑区を中心に活動する一般社団法人「さがみ湖 森・モノづくり研究所」(愛称:MORIMO)が手掛ける『ミウルの「森のパズル」』を紹介します。
「木はある程度、伐(き)らなければいけないことを多くの人に知ってほしい。また、ただ伐(き)るだけでなく、木を活用することが大切。こんなに小さいものでも、ここに二酸化炭素が固定されている訳ですから」。パズルを前に笑顔を見せるのは代表理事の淵上美紀子さんです。
森林の間伐の大切さを訴える淵上さん
このパズルは、相模湖周辺の森林の間伐材や伐採木で作られています。材質はスギやヒノキなどの針葉樹のほか、サクラやケヤキなどの広葉樹もあります。木目や色合いによって一つひとつにさまざまな表情があり、手触りや重さも違います。
遊び方は一辺が3センチほどの立方体3、4個で構成される7つのパーツをうまく組み合わせて、3×3×3個の大きな立方体を作ります。その組み立て方はなんと176通りあるといいます。子どもにとっては立体的にものを考える基礎づくりに役立ち、シニア世代にとっては脳トレに役立つとして愛用されています。
パーツには相模原市緑区のイメージキャラクター「ミウル」の焼印が施され、ぬくもりのある手触りとかわいらしいデザインで幅広い世代から親しまれています。
相模原市内で学習机の天板を天然木へ
淵上さんは当初、神奈川県の水源の水質を守ろうと、環境に優しい洗剤の開発・製造・販売に取り組んでいました。そこで森林保護に取り組むNPO団体から紹介されたのが、相模湖周辺の森でした。「初めて山に入った時、明るい森と鬱そうとした森があり、こんなにも違うのかとびっくりしました」と間伐の重要性を肌身で感じたといいいます。さらには「せっかく間伐したのに、そこに置いてあるだけではもったいない。針葉樹林の間伐は進んでいるのに、搬出する際に補助金が活用できない広葉樹林の手入れが行き届いていない」ことに気づき、広葉樹の間伐材の有効活用に目を向けるようになりました。
地元の商工会や学識者、市民団体などの協力を得ながら、活用策を模索。「デザインが素敵でないとモノは絶対に売れない」と有効活用を考えるためのデザインコンテストを数年かけて子どもたちも交えて開催しました。さらに子どもたちと一緒に「木育」にも取り組みました。
そんな時、「小学校で机の天板を見たら、どれも輸入木材の合板。これなら有効活用できるのでは」とひらめきました。学習机の天板を津久井産の天然木に取り替える取り組みを発案したところ、2013年度の相模原市の協働提案事業に採択され、伐採木を有効活用する「森の机事業」が誕生しました。2015年度には団体を法人化し、相模湖を見渡せる場所に「MORIMO木工所」を開設しました。事業が本格化した今、交換された天板は相模原市内で延べ71校7,500枚(2024年度末時点)にも上ります。
端材から生まれたパズルや積み木

専用の型枠を使って一つひとつ丁寧に作り上げるスタッフ
MORIMOでは広葉樹の伐採木を活用した学習机の天板づくりのほか、店舗やオフィス、公共施設の木質化やノベルティ製作にも取り組んでいます。そこで発生した端材から生まれるのが、パズルや積み木です。パズルは木工所で独自に作製した型枠を使って、作業スタッフが一つひとつ丁寧にパーツを貼り合わせて製作しています。
ミウルの焼き印が施され、木工所で完成したばかりのパズル
ミウルの「森のパズル」の奥深さにハマる人も多く、イベント時に出品すると毎回大きな注目を集めるそうです。特に子どもたちからの人気が高いといいます。
「子どもの時の体験は大人になった時にふと蘇るものなので、子どもたちの学びはとても大切。木を使うことが森を守ることにつながっていることを多くの人に知ってほしい。森と人々の暮らしをつなげる活動にこれからも取り組んでいきたい」
MORIMOのモノづくりにはそんな想いが込められています。
【商品情報】
ミウルの「森のパズル」
針葉樹(スギなど)2,750円(税込)
広葉樹(サクラなど)3,850円(税込)
【主な取扱店舗】
藤野観光案内所 ふじのね
住所:相模原市緑区小渕1702-3
営業時間:8:30-17:00
定休日:なし(年末年始は休業)
電話:042-687-5581
さがみはらアンテナショップsagamix
住所:相模原市南区相模大野3-2-1ボーノ相模大野ショッピングセンター2F
営業時間:10:00-21:00
定休日:なし(元日は休業)
電話:042-705-8455
エコパークさがみはら(相模原市立環境情報センター)
住所:相模原市中央区富士見1-3-41
営業時間:9:00~17:00
定休日:木曜日(年末年始、施設点検日は休業)
電話:042-769-9248
【商品・販売に関する問い合わせ】
一般社団法人さがみ湖 森・モノづくり研究所(MORIMO)
住所:相模原市緑区与瀬269番地
営業:9:00~17:00
定休日:土日・祝日(年末年始は休業)
電話:042-649-0422
メール:info@morimo.or.jp
公式ホームページ:https://morimo.or.jp/
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