10年に一度の特別版!相模ダム建設70周年 第24回 相模湖ダム祭レポート

神奈川県の水を支える相模ダム。県内初の大規模なダム湖である相模湖を形成したこのダムが、6月に建設70周年を迎えたことをご存知でしょうか?

7月17日(月・祝)に開催された「第24回相模湖ダム祭」では建設70周年を記念して、毎年の湖上学習に加え、普段は入ることのできないダムの裏側や発電所内の見学会、ジャズライブが行われたほか、あらゆる角度からダムの魅力を教えてくれる「ダムマニア展」も特別に同時開催。盛りだくさんの催しを目当てに、各地からダム好きが大集合し、暑いなか早朝から開始を待つ列ができるほどの大盛況となりました。

■紆余曲折を経て完成した相模ダム

相模湖ダム祭実行委員会の鈴木克枝実行委員長、神奈川県企業庁相模川水系ダム管理事務所の小佐野靖規さん、神奈川県企業庁のダム・発電事業公式キャラクター「ダムエレキくん」にお話を伺いました

模湖ダム祭実行委員会の鈴木克枝委員長によると、ダム祭はもともと地元の小学校のPTAが主体となって手づくりで始まったそう。今では企業庁や市も一体となって開催されています。

開会式では、鈴木委員長や相模原市緑区長もあいさつ。神奈川県企業庁相模ダム管理所の井上所長からは、戦争で工事が中断したり、当時の小学生も砂利取りを手伝ったりするなど、苦労を経て進められたという相模ダム建設の経緯が説明されました。

開会式に集結したダムファンたち

■学ぶ・買う・語り合う!子どもたちも歓迎のダムマニア展

大人気のダムマニア展は、隔年開催で今年4回目。今回特別にダム祭と合わせての開催となりましたが、前回はなんと、単独で2,450人も動員があったそうです。

出展したのは、プロデュースを手がけるダムライター・ダム写真家の萩原雅紀さんとダム仲間たちや、ダムを管理する企業。小学生ぐらいの子どもたちも楽しめるよう、言葉使いを分かりやすくしたり、ルビを入れたり、ポスターの位置を低めにしたりと、各所に工夫を施しています。

プロデューサーの萩原雅紀さん。「入口のあたりはダムの基本的な解説をしつつ、徐々にいろんな人が『私のダムの楽しみ方』のような切り口で展示して、出て来る頃にはマニアックになるように考えました」とのこと

そして、今年の注目は、相模ダムの図柄が描かれている、旧相模湖町時代のマンホールのふた。約20年前に1枚だけ記念品として作られた“幻のふた”は、設置場所が不明だっため、ツイッターで目撃情報を募集して無事発見、レプリカを作製して展示されています。

相模ダム建設70周年記念マンホール、通常の旧相模湖町マンホール、1枚だけ作られた供用開始記念のマンホール(いずれもレプリカ)

グッズコーナーでは、このマンホールと同じ方法で製造されたミニ版マンホールや、同じ図案をプリントしたアルミボトル、ダムステッカー、ダム手ぬぐい、ダムTシャツ、“ダムぐるみ”など、ダム巡りのお供となるグッズを販売。初日から早くも完売する商品が出ていました。

全国のダムの管理事務所やその周辺施設で配布している「ダムカード」の収集は、ダム巡りの楽しみの一つとなっており、専用のコレクションホルダーも

一番人気のダムステッカー

■ダムカレーは“食べられるダム”!

ダムカレーブームの火付け役となった宮島咲さん

マンホール以外にも、一際目を引いたのが、「日本ダムカレー協会」主宰の宮島咲さんによるダムカレーコレクション。全国のダムカレーを提供しているレストラン一軒一軒にお願いして用意してもらったという、30を超えるサンプルが展示されました。

「始めはダムの構造を模したものだったんですが、今はそうでもないなっていうものが増えてきましたね。ダムは下流から見るのが一番かっこいいんですが、ダムカレーはカレーとして作ってしまうと、具が下にもいっぱいのってしまって、ダムが見えない。そういう切り口で見ていくと、これはダムとして作っているな、これはカレーとして作っているな、っていうのがわかるんです。

最近のブームは、ポンッとウインナーを抜くとカレールーがビャーッて出るような、“放流できるカレー”です。これが主流になりつつありますね。」

「ダムカレーカード」をコレクションしているというファンの方に遭遇

相模湖交流センター2階の「ともしび喫茶レストラン 青林檎」で提供されている「相模ダムカレー」(サラダ、味噌汁付きで500円!)は、ダムの下流側を大胆に空け、相模湖の流木やワカサギも再現した“元祖ダムカレー”的な仕上がりで、この日ももちろん大人気。お昼時には長い行列ができました。

障害者の自立支援も目的として運営されている「ともしび喫茶レストラン 青林檎」の相模ダムカレー

■いざ、ダム&発電所見学へ!

いよいよ、普段は入ることのできない相模ダムの裏側と相模発電所の内部の見学ツアーへ。担当職員さんによるガイドを聞きながら、ダムの天端(ダムの一番上の通路になっている部分)を渡り、急な階段をぐるぐる下って発電所の下まで降ります。ここで、「階段きついから頑張ってくださいね。」とのダム祭実行委員長の言葉を思い出すことに…。

天端の上をケーブルが通っている構造は、全国的にも珍しいそう

天端の途中には、ゲートの操作盤が

裏側からは、なかなか見ることができません

相模ダムの高さは58.4m。その下流側に位置する発電所の1階まで延々と階段を下ります

相模ダムで貯められた水は、発電に使われた後、下流の沼本ダムから、横浜や川崎まで運ばれ、飲み水などに使われます。相模発電所の年間発電量は約1億キロワットアワー。約3万世帯分にも上ります。

現在稼働している発電機

旧発電機1号機の銘板には「皇紀2607年3月」の表記も

■相模湖の成り立ちに思いを巡らせる

すっかり息が上がってしまったところで、湖畔の相模湖公園エリアに移動します。今年は近隣の飲食店や、キッチンカーが出店。湖畔の食事処では、鮎の塩焼きや山菜料理が楽しめます。夜には夏の恒例行事となったビアガーデンも。

遊覧船乗り場の近くには、昔ながらのコイン式の遊具やゲームが残っています

毎年のダム祭のメインは、遊覧船での湖上学習です。「相模湖八景」などビューポイントの解説を聞きながら、「くじら丸」や、「ニュースワン丸」で相模湖を一周します。

水中から湧き上がっている謎の泡は、アオコの大量発生を防ぐために水流を発生させるエアレーション装置によるもの。底の冷たい水を湖の表面に運ぶことで、アオコが大発生しにくい環境をつくっています。

1964年の東京オリンピックではカヌー競技の会場にもなった相模湖では、現在も盛んにカヌーの練習が行われています。

さまざまな音楽ライブが年間を通して行われている相模湖交流センターでは、相模湖ダム祭に合わせてジャズピアニストのハクエイ・キムさんのスペシャルJAZZコンサートも開かれました。ゲストは相模原市緑区で活動する「相模湖音楽隊ブリーズハーモニー」。小学生から大人まで、世代を超えた吹奏楽団として活躍しています。

東京近郊のダムはぜんぶ回ったというダムファン一家。友だちとダムカードを見せ合うこともあるとか!

相模湖交流センター受付では、相模ダムのダムカードを配布中。今回は通常の「相模ダム」カードの他に、70周年記念のカードも配布されていました。

センター内常設の相模湖記念館でも、相模湖の歴史や自然、相模ダムの役割を体験型の展示で学ぶことができます。
展示をのぞいてから相模ダムカレーを食べて、遊覧船や足こぎボートで湖に繰り出すのも良いですね!

相模湖交流センター
相模原市緑区与瀬259-1
休館日:毎週月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
開館時間:9:00〜21:30(相模湖記念館は17:00、レストランは16:00まで)
http://www.sagamiko-kouryu.jp