第18回 藤野ぐるっと陶器市レポート

相模原市緑区藤野

初夏というより真夏のような日差しと気温になった5月の週末、相模湖近くの藤野地区で「藤野ぐるっと陶器市」が開催され、多くの観光客で賑わいました。

甲州街道の宿場町としても古い歴史を持つ神奈川県の旧藤野町(現在は相模原市緑区)は、山梨と東京に隣接する自然豊かな山と湖の地域。玄関口である藤野駅はJR中央本線八王子駅から山梨方面へ4つ先にあり、新宿から約70分、横浜からは約90分で訪れることが出来ます。

都内からもほど近い藤野には、戦争中に画家の藤田嗣治など多くの芸術家たちが疎開し、そのまま移住した経緯があり、1980年代より「アートの棲むまち」として地域全体で芸術家の支援や育成を行っているため、現在も多くの芸術家がここで活動を行っています。

「藤野ぐるっと陶器市」は、藤野に住むアート作家たちがそれぞれのアトリエや工房を開放し、作品である陶器や工芸品を展示・販売する年に一回のイベントで、地域に点在するアトリエやお店を文字通り「ぐるっと」回り、お気に入りの器を探したり、町のあちこちにあるアートオブジェを発見しながら藤野をまるごと楽しむことができます。

それでは今年で第18回目となった2017年「藤野ぐるっと陶器市(5月20日〜21日)」の様子をレポートいたします。

名倉(なぐら)エリアのマーケット

 

まずは事前にホームページ(藤野ぐるっと陶器市 http://yuruyuru.wixsite.com/fujino-potter-market)をチェックし、藤野駅に隣接する観光案内所「藤野観光協会ふじのね」などで配っている陶器市のMAPが載ったパンフレットを手に入れて、会場を回る順番の計画を立てました。

陶器市に参加したアトリエ・マーケットは全部で21ヶ所。1エリアに2〜4ヶ所のアトリエがあり、徒歩でも行き来できる距離ですが、エリア間の移動はちょっと距離があるので、車かシャトルバス(約30分間隔で各エリアを巡回しています)の利用がおすすめです。

牧野篠原(まぎのしのばら)エリアのマーケット

日連(ひづれ)エリアのマーケット

 

5月とは思えない真夏のような暑さの中でしたが、木陰は涼しく、木漏れ日の下に展示された陶器はどれも色あいが鮮やかでとてもきれい。

鮮やかなイエローとブルーの器

この作品の向こうには川のせせらぎが

 

どのエリアでも川のせせらぎや森林浴を楽しめるので、作品を鑑賞したり、作家さんから制作についてのお話を聞いたり、近くを散策しながらのんびりとシャトルバスを待つことができます。

また、近辺には無人の野菜直売所がたくさんあり、新鮮な野菜を買って帰ることもできます。

さらに、各エリアでは作品の展示だけでなく軽食や飲み物も販売していて、地域で作られた無農薬栽培のお茶や、天然酵母入り飼料で育てた鶏の卵でつくったプリンなど、ここでしか味わえないものもありました。

 

各アトリエは古い民家をリノベーションしたものが多く、縁側やウッドデッキ、薪ストーブなど、「自然の中の暮らしっていいな」と思わせるアイテムにあふれていて、どこもとても素敵です。

名倉(なぐら)エリアでは羊がお出迎え。かわいい子羊も一緒!

 

こちらは篠原(しのばら)エリアにある、陶人形作家・高橋安子さんのアトリエ

高橋安子さんアトリエ手前の原っぱではこんなに可愛らしいお茶会が

 

 

参加している作家さんは藤野地区の方だけではなく、奈良県や、さらにはシンガポールの陶芸作家さんもいらっしゃいました。

どのエリアにも個性的で素敵な作品があって、移動する度に「次はどんなものが見れるのだろう」とワクワクします!

 

出店作品は陶器だけではありません。

ガラス工芸品や藍染、柿渋染めの布、多肉植物とセットでの植木鉢やちょっとユニークな箸置き、昆虫のオブジェ、さらにはかわいい羊毛フェルトなどもありました。

可愛くユニークな作品もたくさん

 

さて、あちこち回っているとお腹も空いてきます。

ランチは藤野でとても人気だという農園レストラン「百笑の台所」(ひゃくしょうのだいどころ)へ。四季折々の食材を使った本格韓国料理が食べられるというお店です。

 

熱く焼いた石釜にグツグツ煮えた状態で出される人気メニューの蔘鶏湯(サムゲタン)セットは、韓国伝統の高級薬膳スープ。鶏肉はホロホロやわらかく味がしっかりと浸み込んでいて、高麗人参などの漢方成分のにおいはあまり感じられず、優しくまろやかな味わいです。

 

大きな窓から見えるのは一面の新緑。カウンター席で心地よい風を感じながらいただくランチは最高の美味しさです!

緑茶とほうじ茶は有機栽培で育てた茶葉のものだそうです。食後にピッタリのスッキリとした味わいでした。

ランチのあとも各エリアを移動し、ひとつひとつの出店をじっくりと見ていたらあっという間に夕方になってしまいました。

暑い中、ほぼずっと外にいたので、温泉に入ってサッパリ汗を流してから帰ろうと、近くの「藤野やまなみ温泉」に行くことにします。

藤野やまなみ温泉は日帰りの温泉で、約20年前に廃校になった藤野町立牧野中学校跡地に作られました。

泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で源泉かけ流し。内風呂、露天風呂、ジェットバス、サウナを楽しめます。

特に露天風呂がよかったです!山々の新緑に囲まれていて、吹き渡る風が気持ちよく爽快でした。

館内には無料の休憩所や食堂、藤野の特産品の土産物コーナーなどもあります。泉質が良いとのことで、近隣の方はもちろんキャンプや登山などレジャーのあとに訪れる人が多いそうです。

 

最初に気づいたときはかなり驚いた「山の目」

 

また、町のあちこちには、このような現代アート作家によるオブジェが飾られていて、これらを発見しながら歩く「芸術の道」もあります。陶器市を回っている間もいくつものオブジェを見つけました。

近くには相模湖や高尾山があるため、キャンプや登山などレジャーで訪れる人が多いと思っていましたが、こんなにアートに触れて楽しむことができる地域だったんですね。

相模湖や高尾山もいいですが、藤野でアートに触れるハイキングもぜひおすすめしたいです!

藤野の「包丁岩」からの夕日

 

さて、そんなわけで「藤野ぐるっと陶器市」で藤野の町をぐるっと回ってきましたが、陶器市だけではなく、藤野は里山の風景にアートが融合したおもしろい地域でした。

関連リンク:藤野ぐるっと陶器市ホームページ関連リンク:百笑の台所ホームページ関連リンク:藤野観光協会ホームページ