「水源地の芸術」DIRECT ACCESS METHOD(県立相模湖交流センター)

相模原市緑区与瀬

県立相模湖交流センターで開催した(5/25-6/9)の「水源地の芸術」DIRECT ACCESS METHODを鑑賞しました。
「本企画は、相模湖にまつわる史実をひとつの起点としながら、そこにほかの湖のあり様や歴史を織り込み、改変することで、どこでもない人造湖の記憶/経験への接続を試みる」(本展覧会カタログより)となっており、ダムを持つ人造湖としての相模湖をインスタレーションや映像、写真など多様な手法で表現しています。
ダム湖がつくられることとなったこの地の運命や、それを享受した人の想いが芸術を通して昇華され、作品群のいたるところに、歴史や風景といった、会場の目の前にある相模湖を形づくる様々な要素がちりばめられていて、一斉に鑑賞する側に語りかけてくるようでした。
いくつかあった作品のごく一部を紹介します。

三田健志氏のlayer on the contour line (pigment print)は、湖の底にまさに集落が眠っている状況を、仮想の湖の断面を創造して表現しているようです。

久村卓氏のステンシルソイルペイント Wall Painting "歩く人"は、過酷なダム建設に従事させられた労働者(中国人や韓国・朝鮮人を含む)を表したものとのこと。湖の底の泥でつくられました。雨に打たれてだんだん消えてしまうものだそうです。同じペイントが、湖上にかかる相模湖大橋上のバス停そばの鉄柱に施されていました。会場の相模湖交流センターには、当時これらの労働者の収容所があったらしいとも聞きました。

また、会場の一角には、湖の底に沈んだ勝瀬村の人々が記した「勝瀬村の記憶」という文集が置かれ、当時移転を余儀なくされた人々の思いがつづられていました。その文章の引用とともに、絵画を通じて再表現した、庄司朝美さんの「湖底の記憶」も飾られていました。

6月8日には、製作者などが集ってラウンドテーブルトークも開かれ、盛況のうちに終わったとのことです。

関連リンク:この展覧会に関するブログ(DAMーDirect Access Methodー[湖底に移る])