美津峯焼・現成窯

清川村

美津峯焼の作品

このところ、2月には「丹澤みそ」、3月には「炭窯」という具合に清川村に足を運ぶ機会が続いていております。清川村の煤ヶ谷地域は、厚木の中心街から20分にも関わらず緑の多い、とても雰囲気の良い場所だな。と、プチ清川フリークと化している不肖ライターでもあります。
やまなみ地域には、陶芸の窯元が多くあり、以前より窯元を訪ねてみたいと考えていたものの実現には至らず・・

そこで今回は、清川村で工房を構える「美津峯焼
みつみねやき
・現成窯
げんじょうがま
」の岩澤栄一さん夫妻を訪ねてみました。

●ロケーション

「美津峯焼・現成窯」さんは、厚木から県道60号線(厚木清川線)を宮ヶ瀬方面へと向かい20分ほど進み、清川村役場を過ぎた「谷太郎林道」へと入ってまもなくという場所に位置しています。

周辺の山々は、「東丹沢」と呼ばれている地域で、西には美津峯焼銘々の由来である三峰山、物見峠、辺室山といった山々が、さらに進めば大山といった東丹沢の登山口でもあります。

谷太郎川流域には、「清川リバーランド」、「谷太郎川マスつり場」といったキャンプ、バーベキュー、マス釣りなどを楽しめる施設もあり、緑が多く、鳥のさえずりもよく聞こえ、厚木の中心街からわずか20分に位置しているとは思えない癒しの空間といったところです。

●工房の雰囲気

取材当日は、6月初旬、梅雨入り目前の小雨の日でした。新緑から深緑へと変化しつつも、ほんのり新緑が残り「現成窯」周辺は、鳥のさえずりにつつまれていました。

「静かに土と向き合うのには、とても良い雰囲気だな」と思いながら、工房に入ってみると陶芸の道具や、次の行程を待つ作品が整然と棚に並んでいるのが目に入ってきました。

工房内の照明は必要最小限でやわらかく、窓から入ってくる光が心地よい雰囲気です。

美津峯焼・現成窯からの眺め

美津峯焼・現成窯

現成窯の道具棚

現成窯の乾燥棚

●美津峯焼の特長

美津峯焼の特長の一つというと、この緑ではないかと思います。

主宰・岩澤栄一さんの作品づくりについて伺ったところ、「清川村の自然を作品に表現したい」と語っておりました。

写真の深い緑の作品は、テーマにマッチした納得いく自信作でもあると・・

この緑を、どうやって色付けするのか?と伺ってみると、釉薬(うわぐすり)として、地元で伐採した木材の炭を活用しているとの事。

さらにこれらの炭は、地元のパン屋さん「HEAVEN」(後ほど登場)、飯山のピザ屋さん「カモミール」でパンやピザを焼くのに利用した除伐材の薪を燃やした後に出る灰の資源リサイクルの一環でもあるそうです。

★レポーターの疑問

釉薬を使用して焼いた陶器の表面というのは、まるでガラスのコーティングをしたように見えます。
ガラスといえばシリコンですから、炭を釉薬に使用するというのは何とも不思議な気がしていました。
そこで質問してみると、土はシリコンをはじめ沢山の成分から構成されています。炭を釉薬として使用することで、焼成の際に土の中の成分と炭の釉薬が科学反応を起こしてガラスの様なコーティングが形成されるとの事でした。

この他、釉薬として、谷太郎川の川床には、「セラドナイト」というミント・グリーンの鉱石が転がっているそうです(まが玉などにも使われる、あの淡い緑色の鉱石です)。これもまた釉薬の原料としては、とても貴重な素材との事。

「清川村の自然を、清川村の素材を活用して、陶器として表現する」これが美津峯焼のテーマなのです。

美津峯焼の緑

地元木材の灰

木灰の釉薬を塗布しているところ

●陶芸教室

取材に先立って、広報部長でもある奥様の岩澤克美さんとの2度目の電話打ち合わせの際、「色々と考えてみたのですが、陶芸を体験してみてはいかが?」とありがたいご提案。月曜日の教室に参加することになりました。

取材当日は、5名の生徒さんが出席。生徒さんは、初心者から10年以上も通われている方まで様々ですが、「自分の作りたいものを作り、それをバックアップ」するのが教室のスタイルだそうです。

手びねりで、電動ロクロで、思い思いの作品に挑戦できるわけですが、“手びねり”でぐい飲みサイズの小さな作品を作っていた方が、教室終了までには、大皿を仕上げてしまっていた。という光景には驚かされました。

※写真「手びねりで」は、岩澤克美さん(写真左)、写真「電動ロクロで」は、主宰の岩澤栄一さん(写真右)です。

お皿などの実用品だけではなく、陶人形を作ることも出来るそうです。

ここで、ちょっとショートブレイク(一休み)・・

★地元のパン工房「HEAVEN」さん

こんな感じの楽しい教室なのですが、お昼前になると地元のパン屋さん「HEAVEN」の移動販売車が来ました。

「HEAVEN」さんのパンは、国産素材と天然酵母の「無添加パン」。ご主人である城所(きどころ)さんが、自分でレンガを積み上げて作った「薪の石窯」で丹念に焼いているそうです。さらに、地元の“お茶”や“ゆず”を使用した季節限定パンなども (営業案内は後述) ・・

現成窯の教室風景

手びねりで

電動ロクロで

陶人形

「HEAVEN」さんの移動販売車

●レポーターの作品

一つ作ってみてはどうか?というご提案に対して、当日まで何を作ろうか?と悩んでいたのですが、 相談のうえ、焼酎グラスとウィスキーのロックグラスの和と洋を取り混ぜてみようということになりました。

「それじゃ、作ってみましょう」という感じで、ロクロに台座を作り、紐状にした粘土を重ねること5段、一工程ごと丁寧にご指導いただき、2時間ほどかけて完成させました。

教わったとおりに真似しようとしても、なかなかうまくいきません。真似しようと思えば、思うほど力が入ってしまうのです。ちょっと力を抜いて、土の反応を伺ったり、その反応に対して自分から語りかける様にという感じにやってみると、何となくうまくいく気がします。

ほとんど初挑戦のレポーターがこんな事を書くのは生意気か?とも思うのですが、午後になって岩澤 栄一さんとお話ししてみると・・・

「現成窯」の命名は、岩澤栄一さんの先輩によるものだそうですが、「現成
げんじょう
」というのは、仏教(禅)の言葉で、平たくいえば「あるがまま、なるがまま」といった意味だそうです。

「土との会話」も同様に「あるがまま、なるがまま」なんじゃないかな?と主宰・岩澤栄一さんがおっしゃってくださいました。

読者のみなさんにも、清川村の緑と鳥のさえずりの中で「あるがまま、なるがまま」に土と語り合ってみていただきたいと思う次第・・

●作品展のお知らせ

毎年、11月23日の「勤労感謝の日」の前後3日間に「清流の館」2階で「美津峯焼・陶芸教室作品展」を開催しているとの事。
今年(2009年)も11月21日(土)~23日(月・祝)の3日間を予定しているとの事です。

レポーターの作品

●営業案内

清川村「清流の館」での販売が中心ですが、連絡いただければ工房の見学・販売にも対応との事。

「現成窯」
所在地:清川村煤ヶ谷2534
問い合せ先:電話046-288-1047

アクセス
本厚木駅より神奈川中央交通バス厚20・21系統宮ヶ瀬行に乗り(約30分)、煤ヶ谷バス停下車徒歩約8分。

★教室案内
○清川村・現成窯での教室

現成窯の陶芸教室は、月曜日の午前中(10:00~12:30)と水曜日の夜(18:30~21:00)に開催しています。

【月謝】
2,500円(月1回)
5,000円(月2回)
7,000円(月3回)
9,000円(月3回)
※2009年6月末時点では、水曜日の教室のみ募集中です。

4名以上集まれば、体験教室の開催も可能です(1回一人3,000円~、3時間)。

※詳しくは「美津峯焼・現成窯」電話046-288-1047までお問い合わせください。

○座間・相模工房での教室

座間の相模工房陶芸教室は、毎週、月・水・木・金・土に開催しており、3名の講師で運営しています。
岩澤栄一さんは、金・土の2日間(10:00~12:30、14:00~16:30、18:00~21:00)の教室を担当しています。

【入会金】
5,000円

【月謝】
5,000円(月2回)
7,000円(月3回)
8,000円(月4回)

「相模工房」
所在地:座間市入谷5-646-8 座間駅下車徒歩約5分

※詳しくは「相模工房」電話046-257-7571までお問い合わせください。

●手作りパン「HEAVEN」
所在地:神奈川県愛甲郡清川村煤ヶ谷4127
問い合せ先:電話046-288-1788 城所(きどころ)

※工房での販売のほか「清流の館」でも販売しています。