津久井のお姫様伝説の地を訪ねて ~梅の香りとともに~(後編)

相模原市緑区(旧:津久井町)

折花姫・ゆかりの地

■折花姫(おりはなひめ)

1582年3月、戦国の動乱時、織田・徳川連合軍に追撃され、天目山の麓で武田勝頼は自害しました。武田氏の家来は散りぢりと逃げ、この時側近の一人であった小山田八左衛門は、身内の者と脱出して奥津久井に入り、「神の川」をさか登り丹沢山中に逃げ住んでいたそうです。しかし、このことが追っ手に知れて、最愛の姫(折花姫)に、翁(おきな)と姥(うば)をつけて山に逃がしました。小山田八左衛門は奮戦しましたが、全身に追っ手の矢弾を受け最期を遂げてしまったそうです。

追っ手は、さらに翁と姥と姫の三人を追い、後ろから矢弾を撃ちかけたので、姥は姫の打掛をかぶって姫を装い敵を誘い、反対側に姫を逃がしました。しかし、姥は、自らは矢弾に当たり息を引きとってしまいました。姫は、手向けの念仏を唱えつつ、翁と共に慣れない山道を登って行きました。

姥に誘われ騙された追っ手は気づき、やがて渓谷を登る翁と姫の二人を見つけて矢弾を射ちました。その一本は頼みにしていた翁の背中に当ってしまったのでした。もうこれまでと、翁は姫の後姿に合掌し姫を逃がし、敵を食い止めようとしましたが、無念にも壮烈な死を遂げてしまったそうでした。

姫は必死に逃げ惑うも、姫はやがて追っ手の重囲に陥ってしまい、この先を計らみ懐剣で自らの喉を貫いて無念の最期を遂げてしまったそうです。

今でも、「神の川」の周りには、姫の悲しい物語にちなんだこの姫の名をとった地名が多く見られます。そして、そのことで、無念な最後を遂げた姫たちの霊を弔っているそうです。

これが津久井に伝わる、無念で哀しい折花姫の伝説です。

奥津久井 神ノ川周辺(ババァ宮・ジジィ宮・折花宮)

●折花姫・ゆかりの地
ババァ宮(姥が討たれた地)
ジジィ宮(翁が討たれた地)
折花宮(姫が自害した地)
津久井町青根地区内

ババァ宮

関連リンク:参考URL:相模原の歴史シリーズ関連リンク:国土地理院地図参照

ジジイ宮

折花宮の祠

折花姫・ゆかりの地

折花神社の由来

■取材後記

津久井の三姫伝説を追い、この地を走り抜けました。哀しい想いが時折胸をよぎりましたが、どこからともなく香る梅の香りに心が癒されました。

最後に取材した「折花神社」は、古くから山の安全、旅の安全や、家族の守り神として、この地の人びとに信仰されているそうです。そして、今は縁結びの神様、長寿の神様として人びとに敬愛されているそうです。きっと折花姫様は、自らの無念の想いからこの里の人びとを見守っているのですね。

これからの季節、春がもうすぐそこまで来ています。お出かけするには良い季節になりますね。そんな季節に明るい春を感じに、美しくも哀しいお姫様たちに逢いに出かけませんか。

■三姫を訪ねて

【所在地】相模原市津久井町周辺

津久井の三姫伝説のゆかりの地

【アクセス方法】
[電車・バス]
・雛鶴姫
JR横浜線・相模線又は、京王線橋本駅北口からバス「三ケ木」行き終点下車、「三ケ木」にて乗り継ぎ、「月夜野」行き「青山」下車
・串川姫
JR横浜線・相模線又は、京王線橋本駅北口からバス「鳥居原ふれあいの館」行きバス「鳥屋」下車
・折花姫
JR横浜線・相模線又は、京王線橋本駅北口からバス「三ケ木」行き終点下車、「三ケ木」にて乗り継ぎ、「月夜野」行き「神の川入口」下車

[自家用車]
中央自動車道八王子IC下車、八王子市街を抜け八王子バイパス相原IC下車県道47号線を相原駅方向に向かい相原十字路左折し県道506号線を東原宿交差点を右折し413号線で津久井湖方面に直進、各方面に向かってください。

【問い合わせ先】
相模原市津久井経済課 電話 042-780-1405

神の川橋付近・折花神社

津久井のお姫様伝説マップ

バス路線略図