散策「フィルム・コミッションの地」と山里の温泉 ~その1~

相模原市緑区(旧:藤野町)

「相模原フィルム・コミッション」⇒「陣渓園」⇒「若葉そば」

◆「相模原フィルム・コミッション」と「陣馬の湯」を訪ねて

「あの映画のあの場面で、この街並みを見た気がする」、「このドラマの風景、多分この辺の山並みだよね」などと、人知れぬ身近な場所がTVドラマや映画の撮影現場であったりします。ご自分の住む街並みがTVドラマや映画で撮影されることは、ちょっと嬉しいことですよね。

ここ相模原市では、都心から1時間という地でありながら都会的な街並みと山・川・湖と自然環境の豊かな場所が多いことから、さまざまなTVドラマや映画の撮影現場として起用されております。時代劇の1シーンで撮影をされた山道や、あの女優さんが出演したTVドラマの街並みがあります。そのような相模原市のあまり知られていない魅力の地を訪ねてみました。また、この周辺には、意外と隠れた名湯の温泉が多くあります。

シンガーソングライターの堀江淳さんのプロモーションビデオでも紹介された「緑のラブレター」

◆「フィルム・コミッション」とは

「フィルム・コミッション(Film Commission=FC)」とは何か?について、最初にご説明致します。「フィルム・コミッション」は、映画・TV局の制作会社に撮影場所の誘致や撮影現場にて制作に関する支援をする公的機関です。一般的には地方公共団体(都道府県・市町村)の観光関連部署の一部が事務局を担当することが多いのだそうです。この団体は、映画の撮影やTVドラマ・バラエティ・CMなどの撮影場所として誘致することによって地域活性化、観光振興、文化振興を図ることを目的とされています。撮影場所として取り上げられることや物語の舞台となることで、街への経済効果はとても大きなものとなります。

◆「相模原フィルム・コミッション」の存在

相模原市の委託を受け観光振興事業の一環として、「この相模原の地を全国に知っていただきたい、そして観光に来て欲しい」と日夜、裏方として映画製作会社やTV関係者の方々と折衝する組織が相模原にあります。その団体が「相模原フィルム・コミッション」です。「相模原フィルム・コミッション」は、他の市町村の場合と異なり独立した組織になっています。
一般的には市の職員の方が直接担当される場合が多いのですが、市の職員の場合、職員異動が多く担当者が入れ替わるため、制作会社側との緻密な連携を取ることが難しいことが多くなってしまうそうです。連携が取れないとなかなか誘致に結びつき難いのだそうです。そうしたことから相模原市の場合は、市の直営とせずに常に制作会社との連携を取り、緻密なフォローをすることによってリピーターを増やし、多くの制作の撮影現場として相模原の地を映像化したいとのことから、相模原市では別組織にしたのだそうです。経緯は2002年旧藤野町で「藤野フィルム・コミッション」が最初に設立されました。次いで2004年「相模原フィルム・コミッション」が設立されました。そして2007年の相模原市との合併により旧相模原市内に1名の「さがみはら事務局」、「つくい地域」に1名の「つくい事務局」として、一つの市に独立した専任担当者を事務局として設置したそうです。そうしたことから、「相模原フィルム・コミッション」は、相模原市街地の都会的な場所での撮影と、都心からわずか1時間でありながら神奈川県の水源地として多くの山・川や湖をもつ「つくい地域」の自然豊かな風景の両方を撮影することに対応できることになりました。この両方の立地を活かして撮影されたのが、あのキムタク(SMAP:木村拓哉さん)主演のTVドラマ「チェンジ」(フジテレビ)だそうです。ドラマの設定は長野の山間ということでしたが、キムタクが学校の先生として撮影されたのが青根小学校で、キムタクが選挙に出馬する場面では、「相模原市建設業協会」を背景にして撮影を行ったとのことでした。

自然豊かな相模原でのロケ現場

制作会社に密接なフォロー

◆「相模原フィルム・コミッション」について

「フィルム・コミッション」の役割はとても多くあります。映画・TVドラマの制作ロケ地の誘致活動、ロケハン(Location Hunting:ロケーションハンティング=ロケ地を探す)の担当者への情報提供、ロケハンへの同行案内・現場立会い、エキストラ及びロケ地の確保・協力要請、公的施設への許認可に関する情報提供、ロケに関する問合せ相談・案内、撮影スタッフへの宿泊案内からお弁当(ロケ弁)の情報提供、地元関係企業との連携要請、地域啓発・広報活動などと多義に渡り、肌理細やかなフォローにより撮影現場へと誘致しています。それこそ、土・日曜日はもちろん、早朝から夜中まで現場に立ち会い、制作会社・映像関係者と信頼関係を築き上げてリピーターを増やすことで、地元の紹介をすることにエネルギーを注いでいます。

◆ロケ地として抜擢に至るまで

ロケ地と抜擢されるまでのご苦労も多く、台本までも全てに目を通すのだそうです。ロケ地として抜擢されるまで、さまざまな工程があります。①最初にロケハンがロケ地候補を写真に撮って監督に見せる。②監督が気に入ればロケ地を見に来る。③この場面はこの地が良いなどとアドバイスもする。④台本も全て読み場面をイメージし候補地を推奨する。⑤台本ができてなくてイメージの途中の場合もあるので、イメージ構想の案を全て理解し「あの場面のあのシーンはこの場所で」と推奨する。⑥台本を先読みして「この場面はここで撮れます」などと先にロケ地の提案をする。正に痒いところまで手が届く対応にてロケ地を誘致することにより相模原市を広めていくことに情熱を掛けておりました。

ロケ地沢井川下流

山の緑や湖の深緑が美しい相模湖畔

関連リンク:「相模原フィルム・コミッション」ロケ地情報サイト

◆シーンではわかり難い撮影ロケ現場

しかし、場面をご覧いただいて「ここがどこの地なのか」が、分かる撮り方をされないので、エンドロール(映画・ドラマで最後に流れる協力地・協力会社の表記)で「相模原フイルム・コミッション」と出ることで満足感を得ることが出来るのだそうです。また、収録の場所の公開はプロダクションからの許可がなければ撮影場所の公開が出来ないそうです。「相模原フィルム・コミッションのホームページ」で制作会社の許可後に撮影場所や出演する俳優名や番組名・映画名などをエピソードを踏まえて公開するのだそうです。ホームページに公開することで「相模原の地に観光に来て欲しい、地元貢献に結びつけたい」と願うのだそうですが、観光地を撮影するのでないのと、こっそり撮影するので、人が行きたい場所で撮影することは少ないそうです。旧津久井町・旧相模湖町・旧藤野町では、山や川・湖などの撮影現場が多いのですが、出来上がった作品から相模原であることを知っていただくのは難しいのだそうです。

◆お楽しみは「ロケ弁」

ロケで出演者もスタッフも楽しみなのが「ロケ弁」や地元の「お食事処」や「宿泊場所」です。地域振興を考慮しなければならないですし、地域にお金を落としていっていただけるように計らいます。お弁当屋さんのリストまで作ったりしているのだそうです。「あの店は早朝可能ですよ」「この店は鍋ごと持ち込んでいただけますよ」などと情報提供に余念がないそうです。ちなみに「ロケ弁」は、相模原ではお茶つきで700円が一般的だそうです。俳優さんもエキストラさんもスタッフさんも差別なく同じ「ロケ弁」を食べるケースが多いのだそうです。美しい女優さんであろうが大物男優さんであろうが、同じものを召上っているのは意外ですよね。

~その2に続く~

ヒーロー「戦隊もの」ロケ現場

「しみずのロケ弁」

関連リンク:散策「フィルム・コミッションの地」と山里の温泉 ~その2~